さくらんぼ保育園のこ

くらしの保育(異年齢保育)への取り組み

~子ども達のやりたいことに耳を傾ける~

さくらんぼでは大家族をイメージして1~5歳児が共に過ごすくらしの保育(異年齢保育)をしています。

”クラス”ではなく”おうち”と呼びます。

様々な年齢や個性ある子ども達と日々過ごす中で、兄弟の様に育ちあったり、
さりげない優しさや思いやりの心、大きい子たちに憧れて「やってみたい!」という想いが自然とわいてきます。

開園して38年が経ちますが、時代の流れと共に、共働きやひとり親家庭等が増え、様々な家庭の事情が見えてきました。中には朝7時から夜7時まで、12時間保育園にいる子どももおり、忙しそうにしている保護者の方を見ると『園で過ごしている間ぐらいは、時間にとらわれずゆっくりのんびり、自分の好きな事をして過ごしてほしい』『保護者にとっても子ども達にとっても、実家のような居心地のいい保育園でありたい』という思いがわいてきました。そして、8年前に同年齢保育から、くらしの保育(異年齢保育)に保育の形態を変えました。

1~5歳児が大家族のように過ごすさくらんぼのくらしは、(以前のように運動会や発表会等はありませんが)

子ども達が毎日自分で好きな事をみつけて、満足するまであそび、心も体も充電できるような、日常のゆったりとした時間が流れています。

安心・安全で栄養たっぷりの給食を

~たのしくおいしく食卓を囲む~

『給食は、体にいいものを食べてほしい』という想いから“食”にはこだわっています。

栄養士2人を中心に、園独自の和食中心の献立(離乳食も)を提供しています。

化学調味料等は使用せず、無農薬の五分付き米(2歳児以上)と有機野菜と、を中心にした栄養たっぷりのメニューです。

暮らしの中心は「食」という想いから、それぞれのおうちに台所と冷蔵庫を設置し、“食”をより身近なものにできるよう工夫しています。畑で獲れたお野菜でクッキングしたり、梅シロップを作ってかき氷を楽しんだりと保育室からは度々いい匂いが漂ってきます。匂いにつられて隣のお家(ご近所さん)の子ども達が、「お味見させて~」と顔を覗かせることもあります。

給食の時は、みそ汁は保温鍋で、おかずは大皿にのってくるので、食べられる量を(3~5歳児は)自分たちでよそいます。野菜が苦手な子もいますが、お友達がおいしそうに食べている姿を見ると「一口食べてみようかな」と思ってチャレンジする姿もあります。みんなで食を囲むと、自然と会話も弾みたのしい雰囲気に・・・。そんな雰囲気を大切にしたいと考えています。

心も体も開放的になれる園庭

~やりたいことをじっくり楽しむ~

園庭にはお父さん達と職員で作った、温かみのある木の遊具がたくさんあり、
朝から裸足で飛び出していく程、子ども達も大好きな場所です。

小さい時から水や土にまみれ、思い切り遊ぶ子ども達の身体は自然とたくましくなっていきます。

現在は園舎裏には『子ども達も大人も癒される、自然豊かな場所』というコンセプトで、第二園庭も新設中です。

園庭のシンボルともいえる大きな築山は、頂上から下を見下ろしてのんびりしたり、夏になるとホースを引っ張ってきて巨大ウォーター滑り台に大変身!夏は全身びしょ濡れ、泥んこになりながら遊んでいます。

さくらんぼにある遊具は、自分の頭と体をフルに使って遊ぶものがたくさんです。“挑戦”するのも、“やっぱりまだ無理かも・・・”とあきらめるのも自分で決めます。

そんな大きい子(以上児)の姿を身近で見ている、小さい子(未満児)たちは「いつか自分も・・・」と憧れのつぼみを膨らませている様に感じます。

また、新設中の第二園庭は、第一園庭とは対照的に“ほっとできる空間”をイメージして、只今計画中です。実のなる木や、木登りできる木、おままごと遊びで使えそうな草花等、子ども達の遊びのイメージがさらに広がる空間になればいいなと思っています。また、現在すでに完成している畑とピザ窯では、子ども達と野菜を育て、収穫し、クッキングする事等も楽しんでいます。

くらしと遊びの保育室

~おうちをイメージして~

保育室では円卓でご飯を囲んだり、製作やお絵描きをしたり、冬はマフラー編みにも挑戦したり・・・。

ゆっくりした時間を過ごす事もあります。

ブロックやパズルをしている子どもの横で、ままごとをしたり、同じ時、お散歩に出かける子ども達もいて・・。

それぞれ好きなことを楽しむ毎日です。

1日のスタートは、保育室にある台所で、子どもと一緒にお米研ぎをする事から始まります。お昼ご飯が近づく11時ごろには、炊きたてのお米のいい匂いが部屋いっぱいに広がります。「そろそろご飯食べよっか」と給食の準備が始まります。

また、室内には手作りのロフトがあり、“秘密基地”のような空間です。「いつか登ってみたい・・・」という想いが膨らみ、挑戦する日々が続きます。

(ピアノの音を聞きながらリズム等で思い切り身体を動かすこともあります。身体をしっかり動かすことで自分の身体を知り、身体の使い方が分かってきます。)

0歳児さんもたのしくくらす

~あそんで、たべて、しっかりねむる~

0歳児さんたちも、毎日お散歩に出かけ、たくさんの刺激を受けています。

太陽の光や風、草や土、そして水など、肌や手足など身体いっぱいで感じます。

いっぱいあそぶ。おいしいものをたっぷり食べる。すっきりうんちをする。たっぷり眠り、すっきり目覚める。そういう毎日のくらしの中で、安心できるおとなに見守られながら、こどもたちひとりひとりが自分の心地良い瞬間や好きなこと、ちょっと苦手だと感じることに気付いていくのだろうと思います。

おひさまのお部屋に異年齢クラスの子どもたちがやってくることもあります。散歩先や園内でも出会ったときには、おひさまさんの目線に合わせて優しく声をかけたり、優しく触れたり。刺激をもらい、癒しを与え、お互いの存在が大切なのです。

ちいさい子もおおきい子も一緒に暮らすことって素敵です。

保護者も保育者も

~共に子どもの成長をいとおしむ~

遠足や懇談会だけでなく、保護者会主催の秋まつり、夏にはお父さん達と保育者一緒に遊具などを作り、夜は園内でバーベキュー等を行うこともあります。

それをきっかけに、保護者と保育者のつながりだけでなく、“保護者同士のつながりの場”になればと思っております。

さくらんぼ保育園では半日保護者の方に、我が子の過ごしている保育室に入って頂き、異年齢でのくらしの雰囲気や、我が子だけでなく、他の子ども達の様子も感じて頂く『保育参加』を年に2回行っています。

保育園という場所が、子どもだけでなく、保護者の方にとっても安心できる場所であってほしいと思います。子どもが卒園した後も、保護者同士でたまに集まっているという話もあります。

また開園当初より、「保育者が楽しいと、子どもも楽しい!」そんな職場づくりを心がけてきました。

保育者も得意不得意があって、その中で助け合い、時には真剣に保育の事を語り合う。そういう保育者同士の信頼関係や安心感の中で、子どもも大人も共に育ちあえると思います。